Essay

「即興について」(音楽哲学のさらに続き)


「哲学」シリーズも長くなりましたが、 「グルーブ」の話は一応切り上げて、

2.JAZZは即興が命である。その時感じたものを 演奏すべきだ。

という原則から導かれる
という矛盾に満ちた氏の言明について考えてみたいと思います

 しかし......
 私にとってはこれはホントに矛盾なんですよ。 実際問題として、どんなに自由な即興であっても、用意された ネタ(よく練習したフレーズなど)なしにやりぬくことは 出来ないと思います。
かといって「周到に用意したネタ」ばかりを聴かされても 面白くないですね。
 演奏者にとって楽器の練習というのも欠かせませんが、 ここで、スケールとかコードをやりすぎると、本番でつい その癖が出てまずいとうこともあります。私の場合、技術的な練習は 主にクラシックの曲を使います。 これだと基本的にはジャズの本番に使えないネタなので即興性を 阻害しませんが、そのかわり必要な技術の内容とちょっと ズレてしまうという難点があります。
 「アドリブの練習」っていうのは本当にどうしていいのか 分かりません。 実は「アドリブ練習教材」のようなCDがあって、それは、 いってみればジャズのカラオケのようなもので、伴奏が入っている ので、自由に?アドリブの練習ができる、というものです。
 しかし実際にこれをやってみると、あたかも 「自分の話を一切聞いてくれない人を相手に対談する」 ようなもので、気が狂いそうになります。


 「対談の練習を一人でやる」というのは所詮できない相談。 アドリブの練習も、実際のアンサンブルのなか でやるしかないでしょうか?

 さて「即興について」はいろいろな方からコメントいただきました。 それを踏まえてへまだまだ続きます。

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