Essay

「トクトクおやじ」は俺か?


 「トクトクおやじ」とは何か?
それは得々と薀蓄を傾けるおじさんのことである。
時々いるんだなあ。そういう人。
 私はそういう人は苦手だ。なぜ苦手なのか? それは、鏡に映った自分のいやな面を見せ付けられるような気がするから。
 何年か前、ライブハウスでの演奏後に、共演していた管楽器奏者の 女の子相手になぜか延々とギターマニアックな話をしているお客さんがいた。 聞かされてる女の子はおおいに辟易してたけど、 それを見て、まさに自分の姿を客観的に見せ付けられたような気がした。
「トクトクおやじはおれだ!」と思ったわけ。
 わたしも「余計な知識」を溜め込むことには人後に落ちないので、聞かれもしない ことトクトクと喋っちゃうことが多い。「人の振り見て...」というわけで、 自分でも一応気をつけてるんだけど、なかなか自制できないね。

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