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ギター大計画(最終回)


やっと完成!長いみちのりだった

 せっかくつけたK&Kサウンド、しかし各弦のバランスが悪く、これでは演奏ではつかえない。 取り付けた楽器屋さんもさすがに納得して再調整となりました。 しかしその後何回かお店に電話してもあまり進捗している様子がありません。
 「いろいろやってみているが手詰まり状態。ピックアップが不良品かも知れず、 製造元のK&Kサウンドに問屋経由で問い合わせ中」ということですが、 それを待ってはまたいつになるか分からず、私も直接をメールで問い合わせてみました。 こちらは対応は早く翌日にはメールが来ましたが、「不良品の可能性はほとんどありません、 取り付けマニュアルに書いてある方法で調整してみてください」という通り一遍の回答。 それも楽器屋に伝え、次の日曜には使いたいのでなんとかしてくれ、 と(ややごり押し気味に)交渉しました。
 それではなんとかしますということで、土曜日の朝とうとう上がってきました。 「夜なべでなんとか調整しました」ということです。 問題だった各弦のバランスは許容範囲内にはいっています。やれば出来るじゃん! (だったら最初からやってくれよ)
 で、その日の仕事で早速使ってみました。ううううむ。思ったほど変わらない。でも まったく違和感なく使えるのはGOOD。実はこのピックアップシステム、調整箇所が多く、 セッティング決めが一苦労なんですが、とりあえず取り付け時のセッティングのままでやりました。
左が内蔵されたプリアンプです。結構ごつい基盤が丸見え。ボリュームつまみは操作しやすいけど穴あけが 必要ないようにサウンドホールのフチに取り付けられてます。で、この基板上に2つのピックアップに3個ずつ計6個の トーンコントロールがあり、それを長いドライバーをつっこんで調整します。
さて肝心の貼り付けとブリッジサドル下の2つのピックアップのサウンドは、当初のセッティングでは 従来とそれほど変わりません。それでは意味がないので、後日時間をかけてセッティングしなおしてみました。
 しかしこの6つのコントロールで音色を調整するのもなかなか骨が折れます。家でヘッドフォンで音決めしても ライブの現場ではまた印象が違ったり、この6つのコントロールでも調整しきれない部分はプリアンプ(AD-5)の トーンコントロールもいじったりして、「ピックアップ(選定)地獄」から抜けたと思ったら、「セッティング地獄」 にはまったという感じです。それに輪をかけて、今度のギターは生音が結構でるので、マイクも取り付けて隠し味を足して やろうなどと色気を出したのでもう大変。
 左がマイク( Audio-Technica Pro35X )を取り付けた写真です。グースネックのついたマイクをちょっとした工夫でギターに 取り付けています。ボディーに加工しない取り付けはちょっと難しいですが、防振タック(固形ゲル) を使ってグースネックの台座を貼り付けます。 写真の位置だと他の楽器の音もかなり拾ってしまうので、打楽器など大きい音の楽器ががいる場合には使えませんが、 小音量の編成の場合は適度なエアー感が付加され、いい感じです。 マイクの場合、取り付け位置によって音が大幅に変わるので、 ギター内部に付けてみたり、いろいろ試しましたが、そのたびにトーンセッティングも変える必要があり、 セッティング地獄が倍増します。(現在では写真の位置より更にサウンドホール寄りにセットしています)
 しかしセッティングも徐々に煮詰まり、音のグレードアップはそれなりに成功したようです。K&Kの2つのピックアップは 単一ピックアップに較べてずっとアコースティックなニュアンスを拾ってくれます。前にもエッセイで 書いたように、楽器の違いなどは演奏者の違いに較べて微細なものですが、今回の変化も「わかる人には わかる」ようです。ただそういう微細な違いというのは一見「わからなかった」人でも無意識的に感じている ことがあり、長い目で見ると細部へのこだわりも大事だと思います。
 それにしても楽器の入れ替えにここまで時間と労力を使ったことは初めてです。このレポートも予想より ずっと長くなってしまいました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
<この項終わり>


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